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【道具を使う動物4】エジプトハゲワシとクロムネトビは石で卵を割る

2017年10月27日 - 動物, 科学, 学ぶ

エジプトハゲワシは石で卵を割るエジプトハゲワシ_Egyptian Vultures

エジプトハゲワシ(Egyptian vulture)は、咥えた石をダチョウの卵に叩きつけ、殻を割って中身を食べます。1回で割れることはめったになく、何度も石を叩きつけて割ります。2つ目のGIF動画は動物園のショータイムのようで、疑似卵を使っているので中身がないみたいですね。

踊るダチョウ

ダチョウは世界最大の鳥で、オスの成鳥は体高230cm、体重135hgを超えます。卵も大きく1.5kgほどもあり、殻はとても硬く、私達だとハンマーを使わないと割れません。エジプトハゲワシはそれを石という道具を使って上手に割ります。

クロムネトビは石で卵を割る

一方こちらは、以前もご紹介したクロムネトビです。クロムネトビはオーストラリアに住み、エミューの卵を狙います。エミューはダチョウに次ぐ大きな鳥で、卵の重さは550~600gです。クロムネトビも石を道具として使い、エミューの卵を割ります。

エジプトハゲワシとクロムネトビは同じタカ科ではありますが、タカ科の仲間はたくさんいるのに、石を使って卵を割るのはこの2種だけです。エジプトハゲワシはアフリカ、ヨーロッパ、アジアに広く分布していますが、オーストラリアにはいません。ダチョウがアフリカにしかいないので、アフリカに住むエジプトハゲワシのみが石で卵を割る習性を持っているようです。クロムネトビとエミューはオーストラリア大陸にのみ生息しています。エジプトハゲワシとクロムネトビの間に、交流(?)はないだろうし、いったいどうやってこの習性を2種が覚えたのか、とても不思議です。

筆者が考える仮説は、かつて世界中にいた大きくて飛ばない鳥が野ざらしで大きな卵を産み落としていたころ、卵を石で割るタカ科の鳥が繁栄した時期があって、いま2種のみが残っているのではないか?というものです。この“卵ドロボーたちの伝統猟法”をたまたま今の私たちが見て『道具を使う動物』だ!凄い!と騒いでいるだけかもしれません。

考えてみれば、私たちの身近な鳥であるニワトリも石を道具に使います。「え?そんなの見たことも聞いたこともないよ!」ですか?ニワトリやアヒルなどの鳥や、絶滅した恐竜(竜脚下目)も、石や砂を飲み込んで砂嚢 (さのう。別名は砂肝、砂ずり)という器官に溜めています。そこで、食べ物と一緒にこすり合わせ、食べ物を細かく消化しやすくするのです。歯のある私たちの咀嚼の代わりですね。意外なところに、そしてはるか昔から『道具を使う動物』はいたのですね。