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なぜ餅が喉に詰まるのか?

2019年1月4日 - 医療, サプライズ, 事件事故, フード・ドリンク, 危険

嚥下

毎年起こるお正月の餅の事故。ニュースによると今年も1月1日から2日にかけて、東京消防庁管内だけで、餅を喉に詰まらせた27~99歳の男女17人が搬送され、80代の男性と90代の女性が死亡しました。なぜこのような事故が起きるのか?・・・結論から先に言うと、空気と食べ物の両方が、気管と食道が分かれる前の1本の管「咽頭(いんとう)」を通るからであり、この咽頭という魔の十字路をネバつく餅が通るとき、交通整理がうまくいかず事故は起きるのです。

実は、物を飲み込む嚥下(えんげ)という動作は複雑な筋肉の動きが連動しています。順を追って説明します。嚥下するときはまず口を閉じます。口を閉じないで飲み込むのはほぼ不可能です。「やってみよう」と口を開けて飲み込もうとしないでくださいね。事故につながります。

次に舌先を上顎にくっつけます。同時に、上顎の奥の部位「軟口蓋(なんこうがい)」を咽頭の後壁にくっつけます。これで鼻への流入を防いでいます。

その次に、舌全体を軟口蓋に押しつけ食塊(噛んで唾液と混じった食べ物)を咽頭蓋(いんとうがい)へ送り込みます。この時、喉頭蓋は降下して気管を塞ぎ、食べ物が肺に入るのを防ぎます。さらに舌根(ぜっこん)で食塊を咽頭の後壁に押しつけると、食塊を咽頭奥に送り込むことができ、最後に食道から胃へ食塊が落ちて行きます。

私たちが普段する「ゴクリ」は、全く意識しないでこれほど複雑な運動をしています。高齢になると唾液の量が減り、噛んだり飲み込む力が衰えるため、これらの複雑な運動に支障をきたし事故が起きるのです。

こうした事故を防ぐために、消費者庁は次のように注意喚起(PDF)を促しています。高齢でなくても冒頭のニュースのように27歳の方でも事故は起きています。覚えておきましょう。

【餅による窒息事故を防ぐために】 ※消費者庁の注意喚起抜粋
① 餅は小さく切っておく
② 餅を食べる前に、先にお茶や汁物を飲んで喉を潤しておく
③ 餅はよくかんで、唾液とよく混ぜ合わせてから飲み込む