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飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故原因は水素ではない

2018年8月28日 - 実験, 事件事故, 科学, 爆発, 乗り物, 危険, 未分類

ヒンデンブルグ号の爆発事故

1937年5月6日、アメリカNY近郊のNJ州レイクハーストで着陸しようとしていた大型旅客飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故の様子です。充填されていた大量の水素(H2)が爆発したと思っている人が多いのですが、実は外皮に使われていた酸化鉄とアルミニウム混合塗料が直接の発火原因だったという説が有力です。ヒンデンブルク号の飛行中に蓄積された静電気が着陸用ロープが下ろされた瞬間に放電し、外皮が発火・炎上したというものです。ちなみに酸化鉄とアルミニウムの混合物は点火するとテルミット反応を起こすことで知られています。水素は二次的に燃焼したようです。

水素は宇宙で最も多い元素で地球上では水(H2O)として多く存在しています。元素およびガス状分子の中では最も軽いので、飛行船の充填ガスとして利用されていたわけです。水素は可燃性ガスであり、酸素や塩素などの酸化性気体との混合物は非常に燃焼(爆発は燃焼の一形態)しやすく、空気との混合では 4.1% — 74.2% 、酸素との混合では4.65% — 93.3%という際だって広い燃焼範囲(爆発範囲)を持っています。要するに空気(酸素)と混ざると非常に燃えやすい(爆発しやすい)のですが、混ざらなければ安定しています。

燃焼は「可燃性物質」「酸素供給源」「点火源(熱源)」の燃焼の3要素がそろわなければ起こりません。ヒンデンブルグ号の事故は外皮が燃えなければ、水素と空気が混合しなかったので水素の爆発は起きなかったでしょう。

同じ理屈で水素カーの水素も空気と混ざらなければ爆発はしないでしょう。問題は交通事故で水素が漏れた場合です。水素はあっという間に上昇・拡散するので爆発しにくいという意見もあります。ガソリンは気化して空気と混合しても空気より重いのでその場に漂い続けます。なので、ガソリンの方がそもそも怖いのだから、水素の危険性をそんなに気にする必要はない、との考え方です。あらゆる事故の状態を検証しないと何とも言えませんが、錆びた鉄製の車体に粉々になったアルミホイールが突き刺さって・・・なんていうことがないようお願いしたいものです。